「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」で障害年金を受給できる?認定基準と申請のポイント
目次
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」で障害年金を受給できる可能性があります。受給条件や等級の基準、申請のポイントを詳しく解説します。
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」とは?
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」は、十分な休息をとっても改善しない極度の疲労感が長期間続く疾患です。身体的・精神的活動の後に症状が悪化する「労作後倦怠(PEM)」が特徴的で、日常生活に大きな支障をきたします。その他にも、睡眠障害、集中力や記憶力の低下(ブレインフォグ)、筋肉痛、関節痛、頭痛、自律神経失調症状(立ちくらみや体温調節異常)など、多様な症状が見られます。特に、症状の波があり、調子の良い日と悪い日の差が大きいため、日常生活の維持が困難になることが多いです。
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」で障害年金を受給できるのか?
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」は、明確な診断基準や客観的な検査指標が確立されていないため、障害等級の認定には慎重な審査が行われます。
障害等級の認定基準
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」で障害年金の認定には、障害の程度が以下のいずれかに該当する必要があります。
1級(障害基礎年金・障害厚生年金)
- 日常生活のすべてにおいて介助が必要で、自力で生活できない状態
- 常に寝たきり、またはベッド周辺での生活に限られる
2級(障害基礎年金・障害厚生年金)
- 日常生活に著しい制限があり、外出や家事が困難
- 労働により収入を得ることができない状態
3級(障害厚生年金のみ)
- 労働に著しい制限を受けるが、日常生活はある程度可能
- 軽作業でも疲労が強く、就労が難しい状態
申請時の重要なポイント
1.初診日の確定
障害年金の申請では「初診日」の確定が必須です。初診日とは、慢性疲労症候群の症状で初めて医療機関を受診した日を指します。
2. 診断書の取得
慢性疲労症候群は客観的な検査で確定診断が難しく、診断書の内容が審査で非常に重要になります。以下の点を押さえて作成しましょう。
(1)使用する診断書の種類
- 血液・造血器・その他の障害用(様式第120号の7)
(2)診断書⑨の記載内容
- 「現在までの治療の内容、期間、経過、その他参考となる事項」欄に、旧厚生省研究班の重症度分類PS(Performance Status:パフォーマンス・ステータス)を記載することが推奨されています。
PS分類(パフォーマンス・ステータス)の概要
PS分類 | 状態 |
---|---|
PS0 | 倦怠感がなく平常の社会(学校)生活ができ、制限を受けることなく行動できる。 |
PS1 | 通常の社会(学校)生活ができ、労働(勉強)も可能であるが、疲労感を感ずるときがしばしばある。 |
PS2 | 通常の社会(学校)生活ができ、労働(勉強)も可能であるが、全身倦怠感のため、しばしば休息が必要である。 |
PS3 | 全身倦怠感のため、月に数日は社会(学校)生活や労働(勉強)ができず、自宅にて休養が必要である。 |
PS4 | 全身倦怠感のため、週に数日は社会(学校)生活や労働(勉強)ができず、自宅にて休養が必要である。 |
PS5 | 通常の社会(学校)生活や労働(勉強)は困難である。軽作業は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。 |
PS6 | 調子のよい日には軽作業は可能であるが週のうち50%以上は自宅にて休息が必要である。 |
PS7 | 身の回りのことはでき、介助も不要であるが、通常の社会(学校)生活や軽労働(勉強)は不可能である。 |
PS8 | 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。 |
PS9 | 身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。 |
3. 日常生活の制限を詳細に記載する
病歴・就労状況等申立書には、具体的な日常生活の困難さを明記しましょう。「○○ができる」ではなく「○○できない」点を強調し、具体的な支障を説明することが重要です。
4. 社会保険労務士への相談
申請書類の作成や診断書の内容の確認を、専門家である社会保険労務士に依頼することで、受給の可能性を高めることができます。
まとめ
「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」で障害年金を請求するためには、初診日の確定、適切な診断書の取得、日常生活の制限を正確に伝えることが重要です。障害認定の可能性を少しでも高めるために、専門家への相談を検討しましょう。