18.代謝疾患による障害認定基準
【認定基準】
代謝疾患による障害の程度は、以下の・合併症の有無とその程度・代謝のコントロル状態・治療および症状の経過・日常生活の具体的な状況要素を総合的に考慮して認定されます。
認定は、少なくとも1年以上の療養が必要で、長期にわたる安静が必要な病状が日常生活に大きな影響を与える場合に行われます。具体的な等級は次のとおりになります。
1級: 日常生活がほぼ不可能な程度
2級: 日常生活に著しい制限がある程度
3級: 労働に制限がある程度
【認定要領】
1.代謝疾患の分類: 糖代謝、脂質代謝、蛋白代謝、尿酸代謝、その他の代謝異常に分けられますが、糖尿病が主な対象です。
2.糖尿病の定義は、インスリンの作用不足による代謝異常で、高血糖が中心です。長期にわたる血糖コントロルの困難さが慢性合併症を引き起こします。
3.認定の基準は、糖尿病による障害の程度は、合併症の有無とその程度、代謝のコントロル状態、治療および症状の経過、日常生活の具体的な状況を総合的に考慮して認定されます。
糖尿病による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりである。
(一般状態区分表)
区分 | 一般状態 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
- 糖尿病の3級認定
必要なインスリン治療を行っても血糖コントロルが困難な場合。
認定には、検査日より前に90日以上インスリン治療を継続していることが必要。
以下のいずれかに該当する場合に認定
・内因性インスリン分泌が枯渇し、血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満。
・重症低血糖の発作が月1回以上。
・糖尿病ケトアシドシスまたは高血糖高浸透圧症候群による年1回以上の入院。
なお、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に
認定する。
- 糖尿病性網膜症
「眼の障害」の認定要領に基づいて認定。
- 糖尿病性壊疸
運動障害がある場合、「肢体の障害」の認定要領に基づいて認定。
- 糖尿病性神経障害
激痛、著明な知覚障害、重度の自律神経症状がある場合、「神経系統の障害」の認定要領に基づいて認定。
- 糖尿病性腎症
「腎疾患による障害」の認定要領に基づいて認定。
- その他の代謝疾患
合併症の有無や程度、治療経過、検査成績、日常生活状況を総合的に考慮して認定。
この要約が役立つことを願っています。他に質問があれば教えてください。