「脊髄小脳変性症」で障害厚生年金1級に認定され、年間約148万円の受給となったケース
相談者
- 性別:女性
- 年齢層:40代
- 傷病名:脊髄小脳変性症
- 決定した年金の種類と等級:障害厚生年金1級
- 年間受給額:約148万円
相談時の状況
相談者は、ある日から両手の震えを感じるようになり、コップを持つと水をこぼしてしまったり、ペンを持っても文字がうまく書けず、ミミズが這ったような字になってしまうなど、日常生活で不自由を感じるようになりました。会社の健康診断では高血圧を指摘されていたものの、自覚症状がなかったため、通院はしていませんでした。
症状の悪化を受けてA個人病院を受診。初期のMRIでは明確な異常は見られませんでしたが、投薬療法を受けながら経過を観察していました。その後も症状が進行したため、精密検査が必要となり、B総合病院を紹介されました。複数の検査を経て「脊髄小脳変性症」との診断を受け、定期的な通院と治療を続けることになりました。
さらに時間の経過とともに転倒が増え、歩行が困難となったことから、リハビリと入院による治療のためC総合病院へ転院。言葉をはっきり話すことが難しくなり、現在では呂律が回らず、発話のスピードも低下しています。つい最近までは歩行通院が可能でしたが、転倒を繰り返すうちに自力での歩行ができなくなり、現在は車椅子での移動を介助者の助けを借りて行っています。
日常生活全般においても他人の援助がなければ生活できず、パソコン操作や文字の記載も不可能となったため、就労も困難な状態に陥っていました。
相談から請求までのサポート
当事務所では、相談者の症状が進行性で重度であることを踏まえ、早期に障害年金の申請準備に取りかかりました。初診日を明確にするため、A個人病院での「受診状況等証明書」を取得しました。
「診断書(肢体の障害用)」の作成依頼では、現在の身体状況が正確に反映されるよう、C総合病院のソーシャルワーカーと連携し、内容の確認や補足を依頼しました。申立書には、発症からの症状経過、日常生活上の困難、転院歴、リハビリの取り組み状況などを丁寧に記載し、審査側に実態が伝わるよう配慮しました。
結果
申請の結果、脊髄小脳変性症による障害厚生年金1級が認定され、年間約148万円の支給が決まりました。現在は車椅子での生活となり、日常の多くの場面で介助を受けながら過ごしておられます。障害年金により、医療費や生活費の一部が補われ、一定の安心感が得られたとのお声をいただいています。
本事例は、進行性の神経疾患により生活の自立が困難となったケースにおいて、障害年金の活用が現実的な支援策となり得ることを示しています。同様の症状に悩まれている方も、まずは専門家へご相談いただくことをおすすめいたします。