「うつ病」で障害厚生年金3級を取得、認定日請求が認められ約2年分を一括受給したケース
相談者
- 性別:男性
- 年齢層:30代
- 職業:障害者枠雇用
- 傷病名:うつ病
- 決定した年金の種類と等級:障害厚生年金3級
- 年間受給額:約62万円
相談時の状況
相談者は、突然の不安感や焦燥感に悩まされるようになり、仕事や日常生活に支障をきたすようになりました。思考力の低下や身体の重さ、倦怠感が強く、日中のほとんどをベッドで過ごす日々が続いていました。ご本人と配偶者で相談のうえ心療内科を受診し、「うつ病」と診断されました。
当初は頻繁に通院し、その後は4週間ごとの通院と薬物療法を継続しています。発症後まもなく休職を余儀なくされ、最終的には退職となり、その後は傷病手当金で生活を支えていました。特に初診日から1年半ほどの期間は、強い抑うつ症状と不安、日中の眠気や頭痛が顕著であり、午後以降は寝込むことが多く、公共交通機関の利用すら困難な状況でした。
また、適切な食生活を維持することができず、配偶者の援助に依存していました。身辺の清潔保持についても困難があり、入浴や身なりの管理は配偶者の助言なしにはできませんでした。金銭管理や買い物についても自力では困難で、通院や服薬においても配偶者のサポートが不可欠でした。対人関係は極めて限定的で、外出もままならず、役所などの手続きも配偶者の助けが必要な状態でした。
相談から請求までのサポート
当事務所では、相談者が抱える精神的・身体的な制限に配慮しながら、障害年金の申請手続きを全面的にサポートしました。医療機関が1カ所のみであったことから、初診日の特定や診断書の取得もスムーズに行うことができました。しかし、ご面談にて日常生活の状況や自覚症状をお伺いしたところ、これまでの私の経験則から判断して、障害等級2級には該当せず、3級または非該当の可能性が高いと感じました。
そのため、診断書は「障害認定日」と「現症日」の2枚を医師に依頼し、生活の具体的な支障や援助の必要性について、正確かつ詳細に記載していただけるよう、当方から補足資料を添えて依頼を行いました。また、「病歴・就労状況等申立書」には、症状の変遷や生活面での困難さ、就労支援機関の支援内容、配偶者の援助状況を丁寧に盛り込み、審査側に実態が正確に伝わるよう工夫しました。
結果
申請の結果、障害厚生年金3級が認定され、障害認定日請求が認められたことにより約2年分の年金を一括で受給することができました。これにより、相談者は経済的な安定を得て、安心して現在の障害者枠での就労を継続できる環境が整いました。
現在は、週5日、10時から15時までの勤務時間で働いており、心身の状態に応じた柔軟な働き方を認められています。職場では上司との定期的な面談や外部就労支援機関のサポートも受けながら、少しずつ社会復帰への歩みを進めておられます。