「てんかん」で障害基礎年金2級を受給、年間約83万円の支給が決定したケース
相談者
- 性別:女性
- 年齢層:40代
- 職業:無職
- 傷病名:てんかん
- 決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
- 年間受給額:約83万円
相談時の状況
相談者は2歳の頃より熱性けいれんが見られ、その後も継続的にてんかん発作を繰り返していました。発症からすでに30年以上が経過しており、高校生の時には記憶を失うほどの大発作も経験されています。現在も、突然の意識消失やけいれん発作があるため、外出や通院には必ず家族の付き添いが必要な状況です。
家庭内では、夫や義母から見守り介護を受けており、入浴や歯磨き、調理といった基本的な生活動作においても常にサポートが求められています。特に一人暮らしを想定した場合、自立した生活は困難で、社会的手続きや緊急時の対応も家族の助けが不可欠でした。
経済的な不安を抱える中で、障害年金の申請を通じて公的福祉制度を活用し、家族の介護負担を軽減したいというのが主な目的でした。
相談から請求までのサポート
申請にあたり、初診が幼少期の「A総合病院」であったため、当時のカルテはすでに保存されていませんでした。そこで、後に通院していた「てんかん専門B病院」から「受診状況等証明書」を取得しました。紹介状によって初診当時の経緯も詳しく記載されていたため、初診日の証明として活用することができました。
現在通院されている総合病院の主治医に対して、診断書作成に際しては、発作の頻度や日常生活への影響についてソーシャルワーカーをとおして、また、「病歴・就労状況等申立書」については、相談者本人から丁寧に聞き取りを行い、発作時の自覚症状、日常生活の支障の具体的な様子が伝わるよう作成しました。病院との連絡調整にも尽力し、申請書類の整合性と内容の正確さに十分配慮しました。
結果
これらの支援の結果、てんかんによる日常生活の制限や常時の見守りが必要な実態が適切に審査機関へ伝わり、障害基礎年金2級が認定されました。年間約83万円の受給が決定し、相談者ご本人だけでなく、日々サポートを行っているご家族にとっても大きな安心材料となりました。
現在も家族の支援を受けながら、症状と向き合いつつ、安定した生活を送られています。障害年金の受給によって、介護負担の軽減と経済的な基盤を確保できたことが、大きな一歩となりました。