「広汎性発達障害」で障害基礎年金2級に認定され、年額約83万円・遡及分約400万円の受給となったケース
相談者
- 性別:女性
- 年齢層:20代
- 傷病名:広汎性発達障害
- 決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
- 年間受給額:約83万円
- 遡及分:約400万円
相談時の状況
相談者は幼少期より、体を揺らす、首をかしげる、跳ねるように歩くといった独特な行動があり、幼稚園や小学校では一人で過ごすことが多く、友人関係が築けないまま成長されました。中学・高校にかけても状況は変わらず、遅刻や早退が多く、独り言をつぶやくなどの行動も見られました。
高校卒業後は家事手伝いとして自宅で過ごし、精神保健福祉手帳2級を取得。その後、障害者枠での就労を開始しましたが、職場の人間関係により体調を崩し、過呼吸で救急搬送されたこともありました。最終的には退職となり、現在はほぼ自宅での生活を送られています。
生活面では、食事・金銭管理・服薬管理・清潔保持・危機対応など、多くの場面で家族の支援が欠かせず、外部との関わりもほとんどない状況です。
相談から請求までのサポート
まず初診日については、精神保健福祉手帳取得の時期からA病院であることを確認し、必要な証明書類を整えました。
主治医へ「診断書」の作成依頼時には、相談者の日常生活や就労上の困難が正しく伝わるよう、「病歴・就労状況等申立書」を活用し、生活上の実情や支援の必要性を記載した書類を主治医に提出しました。これにより、「診断書」にも日常生活の制限や社会的適応の困難さが反映されやすくなるよう配慮しました。
また、5年分の遡及請求に対応するため、初診日から現在に至るまでの通院歴や生活状況を時系列で整理し、「病歴・就労状況等申立書」には、日常生活の様子と就労状況を「障害認定日時点」と「請求時点」に分けて記載しました。
結果
審査の結果、障害基礎年金2級と認定され、年間約83万円の支給が決定しました。さらに、障害認定日請求(遡及請求)が認められ、過去5年分として約400万円の年金も支給対象となりました。
ご本人とご家族からは、生活面での支援体制を維持するための一助になったとの声があり、今後も医療機関への通院を続けながら、安定した生活環境を整えていく予定です。