【コラム】「うつ病」と「双極性障害」で障害年金はどう違う?症状・原因・認定基準をわかりやすく解説
目次
うつ病と双極性障害はどちらも気分障害に分類されますが、症状の現れ方と原因の傾向に違いがあります。うつ病は「抑うつ状態が続く病気」、双極性障害は「うつ状態と躁状態を繰り返す病気」です。この違いは治療だけでなく、日常生活への影響や障害年金の判断にも関係します。
うつ病の原因と内因性・環境要因の考え方
かつては、うつ病は「心因性(ストレス)」と「内因性(体質)」に分けて考えられていました。しかし現在では、ストレスと体質が組み合わさって発症すると考えられています。
ストレス脆弱性モデル
うつ病の理解で重要なのがこの考え方です。
- 生まれ持った体質(内因的要素)
- 性格傾向(まじめ・責任感が強いなど)
- 環境ストレス(仕事・人間関係など)
これらが重なったときに発症します。つまり、うつ病は「外的要因と内的要因が複雑に絡み合う疾患」と言われています。
双極性障害の原因と遺伝性の特徴
一方で双極性障害は、うつ病に比べて生物学的要因が強いとされています。遺伝的要素双極性障害は、家族内で発症する割合が一般より高いことが分かっています。これは、遺伝的な脆弱性が関与していることを示しています。
- 脳機能の特徴
→双極性障害では、ドパミンなど神経伝達物質の調整異常感情をコントロールする脳機能の変化が関係していると考えられています。そのため、環境ストレスだけで発症するというよりも、体質的な影響が大きい疾患といえます。
うつ病と双極性障害の違いまとめ
- うつ病
→ 環境ストレス+体質の影響
- 双極性障害
→ 遺伝・脳機能などの内因的要素が強い
この違いにより、治療方法、再発のしやすさ病状の波が大きく異なります。
症状と日常生活への影響
障害年金では、原因よりも生活への影響の大きさが重要です。精神障害は、症状の重さや経過、日常生活の状況を総合的に判断されます。特に気分障害は、症状の波があるため、継続的な生活の困難さが重視されます。
障害年金の等級と判断基準
障害年金は、日常生活能力の低下によって等級が決まります。
- 1級:常に介助が必要な状態
- 2級:日常生活が著しく制限される状態
- 3級:労働に大きな制限がある状態
このように、どれだけ生活ができないかが基準となります。
働いている場合の注意点
双極性障害の場合、躁状態では一時的に働けることがあります。しかし、長く続かない、トラブルが多い。安定した就労が難しいといった特徴があります。そのため、単に働いているかどうかではなく、安定して生活・就労ができているかが重要です。
診断名の変更と申請への影響
うつ病と診断されていた方が、後に双極性障害と診断されるケースは珍しくありません。この場合でも、障害年金では「初診日」「症状の経過」が重要になります。診断名の変化に惑わされず、実際の生活の困難さを整理することが重要です。
専門家に相談するメリット
精神疾患の障害年金は、症状の波がある、原因が複雑、診断が変わる可能性があるといった理由で判断が難しい分野です。社会保険労務士に相談することで、状態の整理、病歴・就労状況等申立書の記載ポイント調整、受給可能性の判断を的確に進めることができます。
まとめ
うつ病と双極性障害は、「うつ病」はストレスと体質の影響、「双極性障害」は遺伝・内因的要素が強いという違いがあります。ただし、障害年金では、原因よりも「どれだけ日常生活と就労が困難か」が最も重要です。症状や困りごとを正確に整理することが、受給への大きな一歩になります。

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