【事例】筋ジストロフィーでフルタイム勤務を続けながら障害厚生年金3級、年間約64万円を受給したケース

相談者

  • 性別:男性
  • 年齢層:30代
  • 職業:会社員
  • 傷病名:筋ジストロフィー
  • 就労状況:会社から配慮を受けながらフルタイム勤務
  • 決定した年金の種類と等級:障害厚生年金3級
  • 年間受給額:約64万円

 

相談時の状況

相談者は、進行性の筋力低下を特徴とする筋ジストロフィーを抱えながら、会社員としてフルタイムで勤務されていました。以前から階段の昇り降りや重い物を持つことに負担を感じていましたが、次第に筋力の低下が進み、階段の昇降や立ち上がる動作が非常に困難になっていました。また、手や指の力も以前より弱くなり、細かな動作にも支障を感じるようになっていました。

日常生活では自分で行えることもある一方、着替えや食事の準備、掃除、洗濯、入浴などについて家族の援助を必要とすることがありました。外出や買い物にも家族の援助が必要で、一人暮らしを想定した場合には日常生活を維持することが難しい状態でした。

仕事についてはフルタイム勤務を継続していたものの、一般の従業員とまったく同じ条件で働けていたわけではありませんでした。筋力低下による身体的な制限があるため、会社から配慮を受け、身体への負担が比較的少ない座り作業や軽作業を中心に担当していました。

それでも仕事による身体への負担は大きく、勤務後には足に強い疲労感が残り、翌朝になっても足に力が入りにくいことがありました。

フルタイムで就労していることから障害年金の対象になるのか不安を抱えていましたが、実際には職場からさまざまな配慮を受けることで勤務を維持している状態でした。そのため、就労の実態をどのように障害年金の審査で伝えるかが重要なケースでした。

 

相談から請求までのサポート

今回の障害年金請求では、「フルタイムで働いている」という事実だけではなく、どのような制限があり、どのような会社の配慮によって勤務を継続できているのかを具体的に伝えることを重視しました。

相談者は筋ジストロフィーによる筋力低下があり、通常の従業員と同じ仕事内容を行うことが困難でした。そのため会社では、身体的な負担の大きな作業を避け、座って行える作業や軽作業を中心に担当してもらうなど、傷病の状態に応じた配慮が行われていました。

そこで、相談者の承諾を得たうえで会社にも協力をお願いし、実際の仕事内容や勤務上の制限、会社が行っている配慮について書面にまとめていただきました。その書面を障害年金の請求資料として添付し、フルタイム勤務を続けられている背景には、会社による継続的な配慮があることが審査側にも伝わるようにしました。

また、日常生活についても、本人が自分でできることだけでなく、着替え、家事、入浴、外出などで家族の援助を必要としている状況を整理しました。就労状況と日常生活の両面から、筋ジストロフィーによって実際に生じている制限が正確に伝わるよう、請求書類を整えて申請しました。

 

結果

請求の結果、筋ジストロフィーによる障害厚生年金3級が認定され、年間約64万円の受給に至りました。今回のポイントは、相談者がフルタイム勤務をしている一方で、その勤務が会社からの配慮を受けることによって成り立っていたことです。

障害厚生年金3級では、傷病によって労働に著しい制限を受ける状態なども認定の対象となり得ます。そのため、就労しているという事実だけで判断するのではなく、実際の仕事内容、身体的な制限、勤務先から受けている配慮などを具体的に確認することが重要です。

本件では、会社の協力を得て勤務上の配慮や制限を書面で具体的に示し、日常生活における支障についても整理して請求しました。それらの資料を含めて審査された結果、障害厚生年金3級の認定となりました。

筋ジストロフィーなどの疾患を抱えながらフルタイムで働いている方の中には、「仕事をしているから障害年金は受給できないのではないか」と考えている方もいらっしゃいます。しかし、就労している場合でも、傷病による労働上の制限や職場から受けている配慮などを含め、個々の障害状態に応じて審査されます。

そのため、会社から配慮を受けながら勤務している場合には、その具体的な内容を整理し、実際の就労状況を適切に伝えることが大切です。

 

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