【事例】大動脈弁置換術と胸腹部人工血管により障害厚生年金3級を受給、約1年分の遡及支給も認められたケース
相談者
- 性別:女性
- 年齢層:50代
- 職業:会社員
- 傷病名:大動脈弁置換術・胸腹部人工血管(人工グラフト)
- 決定した年金の種類と等級:障害厚生年金3級
- 年間受給額:約63万円
相談時の状況
相談者様は、自覚症状がない状態で日常生活や仕事を続けていました。しかし、会社の健康診断で胸部レントゲン検査の異常を指摘されたことをきっかけに、A病院を受診しました。精密検査の結果、胸部大動脈瘤が判明し、院内で診療科を変更して継続的な検査と治療を受けることとなりました。その後、より高度な治療が必要と判断され、B病院へ紹介となりました。
B病院での診察および各種検査の結果、二期的な手術方針となり、大動脈弁置換術および胸部大動脈に対する治療が行われました。その後も追加治療を受け、現在は定期的な外来通院による経過観察が続いています。
相談者様は仕事が多忙で、ご自身で障害年金の手続きを進めることが難しい状況でした。また、自覚症状がない中で発見された病気であったため、障害年金の対象となるかどうかについても不安を抱えておられました。
相談から請求までのサポート
今回の請求では、初診日の特定が重要なポイントとなりました。相談者様は健康診断で異常を指摘された後、A病院の呼吸器系診療科を受診し、その後に循環器系診療科へ院内紹介となっていました。
このようなケースでは、どの診療科を初診医療機関として取り扱うべきか判断に迷うことがあります。しかし、障害年金における初診日は「傷病について初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」という原則に基づき、最初に受診した診療科から受診状況等証明書を取得しました。審査の過程で、循環器系診療科から改めて受診状況等証明書の提出を求められる可能性も懸念されましたが、初診の経緯を丁寧に整理し、受診の流れが分かるよう資料を整備して請求を行いました。
また、人工弁置換術については、厚生年金保険の被保険者期間中に手術を受けた場合、障害年金制度上、障害厚生年金3級に該当する可能性があります。そのため、手術内容や治療経過が適切に確認できるよう診断書や医療資料を精査し、申請書類全体の整合性を確認しながら請求手続きを進めました。
さらに、本件は初診日から1年6か月以内の請求であったため、障害認定日の特例が適用される事案でした。認定日請求として適切に手続きを進めることで、受給権発生時点まで遡った請求を行いました。
結果
請求の結果、初回請求で障害厚生年金3級が認定されました。年間約63万円の年金受給が決定し、さらに障害認定日の特例が適用されたことで、約1年分の年金についても遡及して支給されることとなりました。
相談者様は仕事が多忙で、ご自身で制度の確認や書類収集を行う時間を確保することが難しい状況でしたが、専門家へ依頼したことで手続きを円滑に進めることができました。また、自覚症状がない状態で発見された病気であったため、障害年金の対象になることをご存じなかったものの、結果として受給が認められ、将来に向けた経済的な安心につながりました。
大動脈弁置換術や人工血管(人工グラフト)による治療を受けた方は、自覚症状の有無にかかわらず障害年金の対象となる場合があります。特に厚生年金加入中に人工弁置換術を受けた方は、障害厚生年金3級に該当する可能性があるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
初診日が、厚生年金被保険者の方は、大動脈弁置換術や人工血管(人工グラフト)の方も障害年金を受給できる可能性があります
大動脈弁置換術を受けた方や、胸部・胸腹部大動脈瘤に対する人工血管(人工グラフト)置換術を受けた方は、障害年金の対象となる可能性があります。
特に、人工弁を装着した方については、厚生年金保険の被保険者期間中に初診日がある場合、障害厚生年金3級に該当することがあります。 一方で、ご本人が元気に仕事を続けている場合や自覚症状が少ない場合には、「障害年金は受けられない」と思い込んでいるケースも少なくありません。
また、胸部大動脈瘤や大動脈解離などの循環器疾患では、健康診断で偶然発見されることもあります。そのため、呼吸器内科、循環器内科、心臓血管外科など複数の診療科を受診しているケースがあり、障害年金請求において重要となる「初診日」の判断に迷うことがあります。
障害年金の請求では、
- 初診日の証明
- 受診状況等証明書の取得
- 診断書の内容確認
- 障害認定日の特例の適用判断
- 病歴・就労状況等申立書の作成
など、専門的な知識が求められます。
当事務所では、大動脈弁置換術、人工弁置換術、人工血管(人工グラフト)置換術、胸部大動脈瘤、大動脈解離など循環器疾患による障害年金請求のご相談を承っております。「自分の場合も障害年金の対象になるのだろうか」「初診日がどこになるのか分からない」「仕事が忙しくて手続きができない」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。


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