【受給事例】「ICD(植え込み型除細動器)」で障害厚生年金3級を取得し、年額110万円を受給できたケース
ご相談者
- 年齢:50代
- 傷病名:心疾患(ICD・植込み型除細動器を装着)
- 決定した年金:障害厚生年金3級
- 年間受給額:約110万円
ご相談いただいたときの状況
ご相談者には、それまで心臓の持病はありませんでしたが、仕事中に突然倒れ、救急車で病院へ搬送されました。搬送先の病院で入院治療を受けた後、別の病院でICD(植込み型除細動器)を装着する手術を受けました。その後、療養を経て体調が回復し、仕事にも復帰されましたが、ICDを装着した場合に障害年金の対象となることをご本人は知りませんでした。
手術から1年以上が経過した頃、病院のソーシャルワーカーから障害年金について案内されたことをきっかけに、当事務所へご相談いただきました。
障害年金請求でポイントとなった点
この事例で重要だったのは、ICD(植込み型除細動器)の装着には障害認定日に関する特例があるという点です。障害年金の障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日です。しかし、心疾患によりICDを装着した場合には、初診日から1年6か月を経過する前であっても、ICDを装着した日が障害認定日として取り扱われる場合があります。ご相談いただいた時点では、ICD装着手術からすでに1年以上が経過していました。
通常、障害認定日までさかのぼって障害年金を請求する場合には、障害認定日当時と現在の状態を確認するため、2枚の診断書が必要になる場合があります。
一方、この事例ではICD装着による障害認定日の特例を利用し、3級での認定を求める請求を行うことにより、現在の診断書1枚でICD装着時までさかのぼって請求することができました。
当事務所で行ったサポート
まず、初診から救急搬送、入院、ICD装着手術、その後の療養と職場復帰までの経過を整理しました。そのうえで、ICDを装着した日を障害認定日とする特例を利用し、障害厚生年金3級として障害認定日までさかのぼって請求しました。障害年金というと、「現在も働くことができないほど重い状態でなければ受給できない」と考えている方も少なくありません。
しかし、ICDを装着している場合には、仕事に復帰し、日常生活を送ることができていても、障害年金の認定基準に該当する場合があります。この事例でも、ご本人は仕事に復帰されていましたが、ICDを装着していることを踏まえて障害年金の請求を進めました。
結果
審査の結果、障害厚生年金3級に認定され、年額約110万円を受給することになりました。ご相談者は、ICDを装着したことで体調が安定し、病気になる前と同じような生活を送れるようになり、仕事にも復帰されていました。それでも、ICDを装着していることにより障害厚生年金3級の認定につながった事例です。
なお、障害厚生年金3級の年金額は、厚生年金の加入期間や標準報酬額などを基礎として計算されます。計算した年金額が3級の最低保障額を下回る場合には、最低保障額が適用されます。
社労士から見たこの事例のポイント
この事例で特にお伝えしたいのは、「仕事に復帰しているから障害年金は受けられない」とは限らないということです。ICD(植込み型除細動器)を装着した方の中には、手術後に症状が安定し、以前と同じように仕事をしているため、ご自身が障害年金の対象になるとは考えていない方もいらっしゃいます。
今回のご相談者も、ICDを装着したことで障害厚生年金3級の対象となる可能性があることをご存じなく、手術から1年以上が経過してから障害年金について知りました。
また、ICDの装着には障害認定日に関する特例があるため、「いつICDを装着したのか」「初診日はいつなのか」「どの時点までさかのぼって請求できるのか」を確認することが重要です。
ICDを装着してから時間が経過している場合でも、障害認定日までさかのぼって請求できる可能性がありますので、過去の治療経過を確認することが大切です。
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