【受給事例】「自閉症スペクトラム障害」で障害厚生年金2級を取得、認定日請求で2年半分の遡及分と年額約110万円を受給できたケース

相談者

  • 性別: 女性
  • 年齢層: 20代
  • 傷病名: 自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)
  • 決定した年金の種類と等級: 障害厚生年金2級
  • 年間受給額: 約110万円
  • 遡及分: 約220万円

ご相談いただいたときの状況

相談者は専門学校を卒業後、会社に就職しました。しかし、就職して間もなく体調を崩し、朝起きることができない、仕事に集中できないなどの症状が続くようになりました。

仕事を続けることが難しい状態となり、上司から心療内科の受診を勧められました。受診した心療内科では「うつ病」と診断され、その後、会社を退職することになりました。その後、別の医療機関へ転院して詳しい検査を受けたところ、「自閉症スペクトラム障害」と診断されました。

ご本人やご家族だけでは障害年金を請求できるのか、また、初診時の「うつ病」と現在の「自閉症スペクトラム障害」という異なる診断名をどのように整理して申請すればよいのか判断が難しい状況でした。

そのような中、ご家族から障害年金の申請を勧められ、当事務所へご相談いただきました。

 

当事務所で行ったサポート

まず重要だったのは「初診日」の確認です。

相談者が最初に心療内科を受診したのは会社に在籍していた期間中でした。そのため、初診日に厚生年金に加入していたことを確認し、障害厚生年金として請求手続きを進めました。

今回の請求でもう一つ重要なポイントとなったのが、障害認定日当時と現在とで、受診している医療機関と診断名が異なっていたことです。障害認定日頃は「うつ病」と診断されていましたが、その後、転院先で検査を受け、「自閉症スペクトラム障害」と診断されていました。

さらに今回は、現在の障害状態だけで請求するのではなく、障害認定日時点まで遡って年金の受給権を認めてもらう「認定日請求(遡及請求)」を行いました。

そのため、障害認定日当時の状態を示す診断書と、現在の状態を示す診断書の2通を準備し、それぞれの医療機関に作成を依頼しました。

初診時と現在で診断名が変更ケースでは、単に現在の診断名だけを記載して請求するのではなく、初診から現在までにどのような症状があり、診断や治療がどのように変化してきたのか、その経過が審査側に伝わるよう整理することが大切です。

当事務所では、初診時の「うつ病」から、その後「自閉症スペクトラム障害」と診断されるまでの受診歴や生活状況を整理したうえで、障害認定日と現在、それぞれの障害状態が適切に伝わるよう請求書類を整えて日本年金機構へ提出しました。

 

結果

自閉症スペクトラム障害による障害年金の認定日請求(遡及請求)を行った結果、障害厚生年金2級として認定されました。これにより、今後は年額約110万円の障害年金を受給できることになりました。さらに、障害認定日時点についても受給権が認められ、遡及分として約220万円を受給することができました。

就職後わずかな期間で体調を崩して退職し、その後に自閉症スペクトラム障害と診断されたケースでしたが、初診日やこれまでの診療経過を丁寧に確認し、障害認定日当時の状態についても請求したことで、現在分だけではなく過去に遡った障害年金の受給にもつながりました。

 

社労士から見たこの事例のポイント

今回の事例で特に重要だったのは、「初診時と現在で診断名が異なっていたこと」と「障害認定日時点まで遡って請求したこと」です。

発達障害のある方の場合、最初から自閉症スペクトラム障害などの診断を受けているとは限りません。就職後に職場への適応が難しくなり、抑うつ状態などをきっかけに初めて精神科や心療内科を受診し、その後の検査や診療を通じて発達障害と診断されるケースもあります。

今回は、初診時の診断名は「うつ病」で、その後の医療機関で「自閉症スペクトラム障害」と診断されていました。「うつ病」は、「「自閉症スペクトラム障害」の二次疾患であり、相当因果関係が障害年金の制度上も認めれています。

また、相談者は会社に在籍し、厚生年金に加入していた期間中に初めて医療機関を受診していました。この初診日の確認が、障害厚生年金の請求を進めるうえで重要なポイントとなりました。

さらに、障害認定日当時と現在の医療機関が異なっていたため、それぞれの医療機関から必要な診断書を取得し、障害認定日当時の状態と現在の状態の双方について審査を受けられるよう準備しました。

障害年金は、現在の状態だけを対象として請求する方法だけではありません。障害認定日当時に障害等級に該当する状態であった場合には、一定の要件のもとで障害認定日に遡った請求が可能となることがあります。

今回の事例は、初診日の確認に加え、初診時と現在で異なる診断名をどのように整理するか、そして障害認定日当時の状態をどのように証明するかが、障害厚生年金2級の遡及認定につながった重要なケースでした。

 

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