【事例】「反復性うつ病性障害」・「注意欠陥多動性障害」で障害基礎年金2級が認定され年額約83万円を受給できたケース
相談者
- 性別:女性
- 年齢層:40代
- 職業:主婦(障害者枠雇用歴あり)
- 傷病名:反復性うつ病性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級
- 年間受給額:約83万円
相談時の状況
相談者は幼少期から対人関係の困難さを抱えており、周囲との距離感がつかめない、空気を読めない発言をしてしまうといった特性が見られていました。特定の友人を作ることができず、学校生活でも孤立する場面が多く、「自分は周囲と違う」という違和感を常に抱えていました。
成長とともに、こだわりの強さや感覚過敏(特に匂い)、注意の偏りなどが顕著となり、日常生活や社会生活に支障をきたすようになります。短大卒業後に結婚し出産を経験しますが、育児負担や夫婦関係の悪化、転居による環境変化などが重なり、うつ症状や自傷行為が悪化しました。
その後も複数の医療機関を転々としながら治療を継続していましたが、症状は安定せず、倦怠感・不眠・頭痛・不安感・衝動性などが慢性的に続いていました。離婚後は母子家庭となり、生活のため障害者雇用で就労するも、ケアレスミスや業務過多による体調悪化で休職を繰り返し、最終的には就労継続支援へ移行しています。
日常生活においても、金銭管理ができない、火の消し忘れがある、服薬管理が困難であるなど、常時家族の援助が必要な状態でした。就労も実質的に困難であり、経済的・精神的な不安から障害年金の申請を希望されました。
相談から請求までのサポート
本件で特に大きな課題となったのは、初診日の証明でした。相談者はこれまでに9カ所の医療機関を受診しており、通院歴が長期かつ複雑であったため、どの医療機関で初診日の証明が取得できるか慎重な確認が必要でした。
各医療機関へ照会を行った結果、3つ目の医療機関にて受診状況等証明書の取得に成功し、初診日を確定することができました。この初診日の確定は、障害年金請求において極めて重要なポイントであり、丁寧な調査と対応が認定の可否を左右する重要な工程となりました。
また、相談者は日常生活における支障が非常に多岐にわたっていたため、詳細な聞き取りを実施し、「病歴・就労状況等申立書」に具体的かつ網羅的に反映しました。特に、対人関係の困難さ、感覚過敏、衝動性、金銭管理不能、服薬管理の困難さ、安全配慮の問題など、障害認定基準に直結する内容を丁寧に整理しました。
さらに、作成した申立書を主治医へ共有し、診断書に日常生活能力や就労状況が正確に反映されるよう連携を図りました。主治医がもともと申立書の内容を重視する方針であったこともあり、診断書には実態に即した具体的な内容が記載され、審査側へ適切に状況を伝えることができました。
結果
申請の結果、反復性うつ病および注意欠陥多動性障害により、障害基礎年金2級が認定され、年額約83万円の受給が決定しました。
長年にわたり複雑な通院歴と重い症状を抱えていた相談者にとって、障害年金の受給決定は大きな安心材料となりました。現在も症状は継続しており、就労には制限がありますが、経済的基盤が整ったことで、無理のない生活と治療の継続が可能となっています。
本事例は、発達障害と気分障害が併存するケースにおいて、日常生活能力の具体的な困難さを丁寧に示すこと、そして初診日の証明を確実に行うことの重要性を示す代表的なケースといえます。

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